UT

ユタ州

Utah

ビーハイブステート

赤い岩の絶景と雪山のスキーリゾートという対照的な自然が魅力の州。「シリコンスロープ」と呼ばれるソルトレイクシティ周辺のテクノロジー産業が急成長し、Adobe、Qualtrics、Pluralsightなどの企業が拠点を構える。アーチーズ、ザイオン、ブライスキャニオンなど5つの国立公園があり、アウトドア愛好者の聖地。モルモン教の総本山として知られ、家族的で安全なコミュニティが特徴。若い人口構成と起業家精神あふれる環境。

ユタはロッキー山脈と砂漠、コロラド高原が交わる西部の州で、州都かつ最大都市はソルトレイクシティ。住民の過半数がモルモン教(末日聖徒イエス・キリスト教会=LDS教会)に属し、その本部もソルトレイクシティにある独特の文化を持つ。住民の約75%がソルトレイクシティ〜プロボの「ワサッチ・フロント」に集中する。テック産業「シリコンスロープス」の急成長と、5つの国立公園に代表される雄大な自然が同居する、アウトドアと理系志向の留学生に人気の州だ。

経済はテック、観光(スキー)、金融、鉱業が柱。ソルトレイクシティからプロボにかけての「シリコンスロープス」にはアドビ(Adobe)やクアルトリクス(Qualtrics)などのIT企業が集積し、急成長している。2002年冬季五輪の開催地で、2034年五輪も予定されるスキーの一大拠点でもある。州立旗艦のユタ大学(University of Utah)と、モルモン教会が運営する私立ブリガムヤング大学(BYU)が学びを支える。

基本データ

州都 ソルトレイクシティ
最大都市 ソルトレイクシティ
人口 約330万人
面積 219,882 km²
気候 半乾燥気候~砂漠気候(年間平均: 年間平均気温:8-14°C)
生活費 中程度(全米平均の95-105%)
主要産業 テクノロジー、観光、鉱業、金融、ヘルスケア

大学データ統計

州立大 州内学費 中央値

$6,759

州内出身者のみ適用
州立 6 校のデータ

州立大 州外学費 中央値

$19,840

留学生はこの水準が目安
州立 6 校のデータ

私立大 学費 中央値

$8,620

私立は州内外で同額
私立 4 校のデータ

合格率 中央値

84%

合格率を公表する
6 校のデータ

卒業率 中央値

53%

6年以内の卒業率
10 校のデータ

卒業10年後 年収 中央値

$56,287

入学から10年後の中央値
9 校のデータ

※ ユタ州 の4年制・非営利 全 10 校(私立 4 校 / 州立 6 校)から算出。項目ごとに数値を公表している学校数が異なるため、各タイルに母数を併記している。

教育環境

教育の特色

ユタの公立大学は「ユタ高等教育システム(USHE)」が統括し、旗艦のユタ大学(University of Utah/ソルトレイクシティ)が中核だ。ユタ大学はコンピュータサイエンス(インターネットの源流ARPANETの初期拠点)に歴史的な強みを持ち、ゲーム開発の分野で公立大学全米1位、医学・遺伝学でも評価が高い。私立ではモルモン教会が運営するブリガムヤング大学(BYU/プロボ)が会計・ビジネスで高い評価を得ている。ユタ州立大学(USU)は工学・宇宙・農学に強い。

留学生環境

留学生は原則「州外・国際学生」扱いで、公立ユタ大学(University of Utah)の州外授業料・諸費は約30,860ドル。私立のブリガムヤング大学(BYU)はモルモン教会の補助により私立としては非常に学費が安いが(非教会員は教会員の約2倍のレート)、宗教規範「名誉規定(Honor Code)」への同意が全学生に求められ、アルコール・タバコ・茶・コーヒーの禁止や服装基準が非モルモンにも適用される点は事前に理解しておく必要がある。

州立大学システム

ユタの公立大学は「ユタ高等教育システム(Utah System of Higher Education=USHE)」が16のキャンパスを統括し、旗艦のユタ大学(University of Utah)を筆頭に、ユタ州立大学(USU)、ウェーバー州立大学、ユタバレー大学(UVU)などの公立4年制大学が含まれる。一方、ブリガムヤング大学(BYU)はモルモン教会が運営する私立大学で、この公立システムには属さない。宗教規範を持つBYUの独特な位置づけは、ユタならではの特徴だ。

主要な大学都市

ソルトレイクシティSalt Lake City

州都かつ最大都市で、ユタ大学(University of Utah)が立地する。モルモン教会本部があり、州内では相対的にリベラルな文化を持つ。スキー・アウトドアと都市生活を両立できる。

プロボProvo

ソルトレイクシティの南にある、ブリガムヤング大学(BYU)の学園町。モルモン文化が非常に色濃い保守的な地域で、スタートアップも育つテックハブでもある。

ローガンLogan

州北部キャッシュバレーにあるユタ州立大学(USU)の街。宇宙研究のスペース・ダイナミクス・ラボがあり、住民の年齢が若い落ち着いた学生街だ。

評価の高い学問分野

コンピュータサイエンス・ゲーム開発

ユタ大学(University of Utah)はインターネットの源流ARPANETの初期拠点で、コンピュータグラフィックスの名門。ゲーム開発の分野は公立大学で全米1位の評価を得ている。

医学・遺伝学

ユタ大学は州初の医学部を持ち、モルモン教会の膨大な家系記録を活用した遺伝学研究で世界的に知られる。

会計・ビジネス

ブリガムヤング大学(BYU)の会計学が大学院ランキングで全米上位。マリオット・スクール・オブ・ビジネスも高く評価されている。

宇宙・工学

ユタ州立大学(USU)が工学・宇宙分野に強く、スペース・ダイナミクス・ラボが多数の宇宙ミッションに携わってきた。

就職・キャリア環境

留学生の就職先候補として、テック企業が急速に集積している。ソルトレイクシティからプロボにかけての「シリコンスロープス」には、アドビ(Adobe)、クアルトリクス(Qualtrics)、プルーラルサイト(Pluralsight)、アンセストリー(Ancestry.com)などのIT企業が拠点を構える。加えて観光・金融・鉱業も基盤だ。テック・アウトドア・金融と、専攻分野の実務研修(OPT)先を選びやすい。就労ビザ(H-1B)による長期就職は連邦の抽選制度に左右される点は他州と共通。

留学生のための実用ノート

Time Zone

時差・タイムゾーン

Mountain Time(UTC−7)。日本時間との差は −16 時間。家族との連絡や出願書類の締切確認時に意識する。

Tuition

州内生 vs 州外生 の学費差

米国の州立大学は 州内生(その州の住民)と州外生で年 2〜3 倍の学費差。留学生は 原則「州外生」扱い となる。Honors College で減免を狙う戦略も。

Career

OPT は連邦法、就職機会は州依存

OPT連邦移民法で全米共通。ただし実際の就職機会は州ごとに異なり、テクノロジー、観光、鉱業、金融、ヘルスケア 関連の職種を狙うのが現実的。

Travel

渡航と主要空港

日本からの直行便の有無は州により大きく違う。直行便がある主要空港(LAX / SFO / ORD / DFW / SEA / HNL / DTW / JFK / EWR / IAD など)に到着 → 国内線で目的地、というルートが一般的。

Transportation

ソルトレイクシティに軽鉄道・通勤鉄道

ソルトレイクシティ都市圏にはライトレール「TRAX」(空港・ダウンタウン・ユタ大学を結ぶ)と通勤鉄道「フロントランナー」(オグデン〜ソルトレイクシティ〜プロボ)があり、都市圏中心部は公共交通で移動できる。ただし全体としては車社会で、国立公園やスキーリゾートへは車が基本だ。

Driving

運転免許

都市圏中心部は公共交通で生活できるが、アウトドアや州内の移動で車を使う場合は、生活圏に応じてユタ州の運転免許取得を検討することになる。手続きの詳細は州の担当窓口で確認するとよい。

生活環境(治安・気候・生活費)

治安

ユタは家族志向で保守的な土地柄として知られ、所得格差が全米で最も小さいなど社会的な安定性の指標は高い。ただし治安の体感は都市・地区によって差があるため、「全米有数の安全」と決めつけず、住むエリアや時間帯を意識した行動を心がけるのが、この州に限らず米国留学での基本になる。

気候

全体に乾燥した半乾燥〜砂漠性気候で、標高差が大きい。ソルトレイクシティの年間降雪量は約150cmで、ワサッチ山脈は世界屈指の雪質を誇りスキーの一大拠点となっている。夏は乾燥して暑く、冬は山岳部で雪が多い。州南部は赤い岩の砂漠地帯で、同じ州でも地域によって景観・気候が大きく異なる。乾燥対策が必要だ。

生活費

生活費は全米平均前後だが、ソルトレイクシティを中心に住宅費が近年上昇している。州の世帯所得中央値は全米上位で、経済的には安定した州だ。私立BYUはモルモン教会の補助で学費が抑えられているが、宗教規範が条件になる。全体として、テック産業の成長にともない生活コストは上昇傾向にある。

主要空港と日本からのアクセス

SLC

ソルトレイクシティ国際空港

デルタ航空のハブ空港。日本からの直行便は現在なく、ロサンゼルスやシアトル、ソウルなどでの乗り継ぎが一般的。

ソルトレイクシティ国際空港(SLC)はデルタ航空のハブだが、日本からの直行便は現在ない(過去の成田直行便は2011年に運休)。ロサンゼルスやシアトル、ソウルなどでの乗り継ぎが現実的で、所要時間は乗り継ぎ込みで13〜15時間が目安になる。

ユタ州出身の著名人

ユタはテクノロジーの先駆者から発明家、ミュージシャンまで、多彩な人物を生んでいる。

ノーラン・ブッシュネル

起業家(アタリ創業者)
クリアフィールド

フィロ・ファーンズワース

発明家(電子式テレビ)
ビーバー近郊

ジョン・M・ブローニング

銃器設計者
オグデン

ロザンヌ・バー

コメディアン・俳優
ソルトレイクシティ

ブレンドン・ユーリー

ミュージシャン(パニック・アット・ザ・ディスコ)
セントジョージ

ユタ州の有名な観光地

ザイオン国立公園州南西部

そびえ立つ赤い砂岩の断崖と渓谷が広がる、ユタで最も人気の国立公園。ハイキングの名所として世界中から人が訪れる。

ブライスキャニオン国立公園州南西部

「フードゥー」と呼ばれる無数の尖った岩塔が並ぶ絶景。標高が高く、赤・オレンジの岩の造形が幻想的だ。

アーチーズ国立公園モアブ近郊

2,000を超える自然のアーチが点在する公園。象徴的な「デリケート・アーチ」など、砂漠の芸術ともいえる景観が広がる。

パークシティソルトレイクシティ南東

2002年冬季五輪の会場にもなった全米最大級のスキーリゾート。上質な雪と洗練された街並みで知られる。

よくある質問

ユタ州は治安は大丈夫?

ユタは家族志向で保守的な土地柄として知られ、所得格差が全米で最も小さいなど社会的な安定性は高いとされる。ただし治安の体感は都市・地区によって差があるため、「全米有数の安全」と決めつけず、住むエリアや時間帯を意識した行動を心がけるとよい。

ユタの大学の学費は?BYUが安いのはなぜ?

留学生は原則「州外・国際学生」扱いで、公立ユタ大学(University of Utah)の州外授業料・諸費は約30,860ドル。私立ブリガムヤング大学(BYU)はモルモン教会の補助で私立としては非常に安いが(非教会員は教会員の約2倍のレート)、アルコール・タバコ・茶・コーヒーの禁止や服装基準を含む宗教規範「名誉規定」への同意が非モルモンにも求められる点は事前に理解しておきたい。

日本からユタ(ソルトレイクシティ)への直行便はある?

現在はない。ソルトレイクシティ国際空港(SLC)はデルタ航空のハブだが、過去の成田直行便は2011年に運休しており、ロサンゼルスやシアトル、ソウルなどでの乗り継ぎが現実的。所要時間は乗り継ぎ込みで13〜15時間が目安になる。

ユタで強い学問分野は?

コンピュータサイエンス・ゲーム開発(ユタ大学がARPANET源流の名門で、ゲーム開発は公立1位)、医学・遺伝学(ユタ大学)、会計・ビジネス(ブリガムヤング大学が全米上位)、宇宙・工学(ユタ州立大学)が特に強い。テック産業の成長と結びついた分野が充実している。

卒業後、ユタで就職しやすい?

ソルトレイクシティからプロボにかけての「シリコンスロープス」に、アドビやクアルトリクスなどのIT企業が急速に集積している。加えて観光・金融・鉱業も基盤で、テック志望には成長市場だ。専攻分野の実務研修(OPT)先を選びやすい。就労ビザ(H-1B)の抽選制度に左右される点は他州と共通。