アメリカの大学の 給付型奨学金完全ガイド

家計ベース(Need-based)・成績ベース(Merit-based)・留学生に全額給付する 10 校・柳井・笹川・JASSO

アメリカの大学の奨学金は「限られた人がもらう」ものではなく、定価と実額の差を埋める仕組みそのものだ。留学生が使える範囲と、日本の財団との重ね方を、公表されている数字だけで整理する。

情報の基準日: 2026年9月27日。金額は 2025-26 年または 2026-27 年の公表値

結論を先に

2 種類

米国の給付型奨学金は、家計で決まる Need-based と、成績や才能で決まる Merit-based の 2 つ。留学生はどちらも使える。

10 校

留学生にも家計を見ずに合否を決め、必要額を全て給付する大学は 10 校。Harvard・MIT は世帯年収 $100,000 以下なら自己負担ゼロ。

定価と実額

私立の授業料の平均は年 $45,000 だが、初年度の学生が実際に払う平均は $16,910(College Board 2025-26)。定価で大学を選ばない。

申請

家計ベースは CSS Profile(初回 $25、追加 1 校 $16)を出願と同時に出す。連邦の FAFSA は留学生には使えない。

日本側

柳井正財団は米国で年 $115,000 を上限に 4 年、笹川は授業料と寮費を実費、JASSO は月額と授業料の支援。米国の大学の給付と重ねられるものが多い。

自分はどこから読むか。家計と学力の組み合わせで違う

狙う制度が違えば、志望校の選び方から変わる

家計に余裕がなく、学力は最上位層

  • 家計を問わず合否を決める 10 校に出願する。合格すれば世帯年収に応じて自己負担がゼロに近づく。Harvard と MIT は年収 $100,000 以下で全額無料。
  • 出願と同時に CSS Profile を出す。出し忘れると給付の審査に乗らない。
  • 柳井正財団(家計 2,700 万円以下、原則 20 歳以下)に並行して応募する。米国の大学の給付との併給は可能。

家計に余裕はあるが、負担を下げたい

  • 成績ベースの Merit Aid を出す私立中堅校を志望校に混ぜる。多くは出願時に自動で審査される。
  • 州立大学は留学生に給付がほぼ無く、州外生の定価は難関私立と変わらないことがある。優等生向けの Honors College に減免がある大学を探す。
  • 笹川奨学金は年収制限がない。指定大学に進むなら家計に関係なく応募できる。

学力は中堅層

  • 留学生向けの Merit Aid や国際枠の奨学金を出す大学(中堅私立に多い)を、大学の Financial Aid ページで 1 校ずつ確認する。
  • スポーツや芸術の実績があれば、コーチや学部に直接連絡する Athletic / Talent 奨学金が最も額が大きい。
  • JASSO の海外留学支援制度(学部学位取得型)は成績と家計の基準を満たせば大学のランクを問わない。2027 年度は 2026 年 9 月に募集。

仕組み。定価と実額はまったく別の数字

私立の授業料の平均は $45,000、実際に払う平均は $16,910

米国の私立大学は、定価を高く設定して家計や成績に応じて割り引く。College Board の 2025-26 年の集計では、私立 4 年制の授業料の平均が $45,000 なのに対し、初年度の学生が実際に払う授業料の平均は $16,910。この差を埋めているのが給付型の奨学金で、合格通知と一緒に届く Award Letter に額が書かれる。

Need-based(家計ベース)家族の収入と資産から「払える額」を大学が算定し、定価との差を給付・貸与・学内労働で埋める。留学生に出すかどうかは大学ごとに大きく違う
Merit-based(成績・才能ベース)成績、テストの点、課外活動、スポーツ、芸術で決まる。家計は問わない。出願時に自動で審査する大学が多い
定価(Sticker Price)私立 4 年制の授業料の平均は年 $45,000(2025-26)。寮・食費などを含む総予算は年 $65,470
実額(Net Price)私立 4 年制の初年度の学生が実際に払う授業料の平均は $16,910(2025-26)。定価の 4 割弱
合格通知と一緒に届くFinancial Aid Award Letter に給付・貸与・学内労働の内訳が書かれる。これが自己負担額。複数校に合格したら並べて比べる
増額の相談家計の変化や他校の条件を根拠に、書面で再検討を頼める大学がある。額の保証はない

留学生にも家計を問わず合否を決め、全額給付する 10 校

need-blind かつ full need。2025 年入学から Brown と Notre Dame が加わった

「need-blind」は合否の判定で支払い能力を見ないこと、「full need」は算定した必要額を全て支援すること。この 2 つを留学生にも適用する大学は 10 校に限られる。それ以外の大学は、留学生の合否で家計を考慮する(need-aware)か、留学生には給付を出さないかのどちらかで、大学の Financial Aid ページに書いてある。

Harvard年収 $100,000 以下は自己負担ゼロ、$200,000 以下は授業料が給付。留学生も米国人と同じ扱いと明記
MIT2025-26 年から年収 $200,000 以下は授業料無料、$100,000 以下は全額無料。奨学金受給者の実額の中央値は $10,268
Yale支払い能力を見ずに合否を決め、ローンなしで必要額を全て給付
Princeton必要額の 100% を給付で。留学生にも同じ方針
Amherst国籍を問わず need-blind。給付が中心だが、学内労働とローンを含む場合がある
Dartmouth2022 年入学から留学生も need-blind に。奨学金とローンの両方を含む
Bowdoin2022 年から留学生も need-blind。2008 年以降ローンを使わず給付だけで必要額を満たす
Brown2025 年入学から留学生も need-blind に
Notre Dame2025 年入学から留学生も need-blind に
Washington and Lee留学生も need-blind で必要額を全て給付

家計ベースの申請手順。CSS Profile を出願と同時に出す

FAFSA は留学生には使えない。出すのは CSS Profile か大学独自のフォーム

出願の 2 ヶ月前

各大学の Financial Aid ページで留学生向けの方針と締切を確認する

留学生に給付を出すか、need-blind か need-aware か、必要書類は CSS Profile か大学独自のフォーム(ISFAA など)かを 1 校ずつ表にする。

出願と同時

CSS Profile を提出する

College Board のサイトで家族の収入・資産・兄弟の学費を申告する。初回 $25、追加 1 校 $16。留学生は College Board の自動免除の対象外だが、大学が免除コードを出すことがある。Dartmouth や Bowdoin は無料の ISFAA でも受け付ける。

求められたら

収入の証明書類を出す

源泉徴収票や確定申告書の英訳、預金残高の証明。大学が指定する書類提出システム(IDOC など)にアップロードする。

合格通知と同時

Award Letter で自己負担額を読む

総費用から給付を引いた額が自己負担。貸与と学内労働は自分で返す・働く分なので、給付の額で比べる。

5 月 1 日まで

複数校を比べ、必要なら再検討を頼む

家計の変化や他校の条件を根拠に書面で相談する。増額の保証はないが、聞かずに決めない。

成績ベースの奨学金。家計を問わず、出願時に自動審査が多い

留学生に家計ベースを出さない大学でも、成績ベースは出すことがある

種類内容どこにあるか
Presidential / Dean's Scholarship学業最優秀層向け。出願時に自動審査。継続には成績の維持条件私立中堅〜上位校に多い
Honors College の減免州立大学の優等生プログラム。学費の一部減免と少人数クラス、専用寮州立大学。留学生が州立で負担を下げる数少ない手段
国際学生向け奨学金留学生の確保を目的に、留学生だけを対象にした給付留学生比率を上げたい私立中堅校
Athletic ScholarshipNCAA の競技選手向け。コーチとの直接のやり取りが必要Division I・II の大学
Talent Scholarship音楽・美術・演劇。オーディションやポートフォリオで選考芸術系の学部・音楽学校
学科別奨学金工学部・ビジネス学部などが独自に出す。入学後に申請するものが多い大学の学部のページで探す

日本の財団の奨学金。柳井・笹川・JASSO は対象と時期が違う

米国の大学の給付と重ねられるものが多い。国内の給付型どうしは併給できないものがある

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奨学金額対象時期と注意
柳井正財団 海外奨学金米国は年 $115,000、英国は年 £70,000 を上限に 4 年(英国 3 年)家計支持者の所得 2,700 万円以下、原則 20 歳以下。米国 48 校(総合大学 30・リベラルアーツ 18)と英国 7 校が対象年 20 名程度。予約型の応募は 2026 年 7 月 16 日〜8 月 10 日。米国の大学の給付との併給は可。日本国内の他の給付型とは併給不可
笹川平和財団 スカラシップ授業料・寮費などを実費で支給し、別に定額の奨学金年齢・年収・国籍の制限なし。米英の指定大学に進学する人秋期と春期の募集。家計に余裕があっても応募できる点が特徴
JASSO 海外留学支援制度(学部学位取得型)留学先の地域で決まる月額と、授業料の支援。額は募集要項で確認成績と家計の基準あり。大学のランクは問わない2027 年度はエントリー 2026 年 9 月 1〜24 日、書類は 10 月 1 日締切。最終結果は 2027 年 3 月上旬
経団連グローバル人材育成スカラーシップ総額 200 万円を一括財団が指定する日本の大学に在籍する学部生。1 年前後の留学日本の大学から交換留学や休学留学で行く人向け。学位留学は対象外
フルブライト奨学金授業料と生活費など(1 年目)大学院以上学部留学は対象外。米国政府系の他の奨学金とは併給不可

18 ヶ月の予定。日本の財団の締切は出願より早い

柳井は高校 3 年の 7〜8 月、JASSO は 9 月、CSS Profile は出願と同時

18 ヶ月前

志望校ごとに奨学金の方針を調べ、日本の財団の募集時期を表にする

need-blind の 10 校を狙うか、Merit Aid を出す大学を混ぜるか、この時点で方針を決める。柳井は 7〜8 月、JASSO は 9 月が締切で、出願より早い。

12〜15 ヶ月前

柳井正財団(予約型)と JASSO に応募する

どちらも高校 3 年の夏から秋。エッセイと推薦状が要るので、出願用と並行して準備する。

出願と同時(11 月〜1 月)

CSS Profile と大学独自の書類を出す

早期出願なら 11 月 1 日前後、通常出願なら 1 月 1 日前後。出願の締切と同じか少し前が期限の大学が多い。

12 月〜4 月

合格通知と Award Letter を受け取る

早期出願は 12 月中旬、通常出願は 3 月下旬。給付の額で並べて比べる。

5 月 1 日まで

入学先を決め、日本の財団の採否と合わせて資金計画を確定する

笹川の春期など、5 月以降に結果が出る奨学金もある。入学金を払う大学は 5 月 1 日までに 1 校に決める。

よくある失敗 5 つ

どれも書類の出し忘れと、数字の読み違い

CSS Profile を出し忘れる

出願だけして家計ベースの書類を出さないと、給付の審査に乗らない。締切は出願と同じか早い。

定価で志望校を切る

私立の授業料の平均は $45,000 だが実際に払う平均は $16,910。定価が高い大学ほど給付が厚いことがある。

州立なら安いと思う

留学生は州外生の扱いで、州立の定価は私立難関校と変わらないことがある。給付もほぼ無い。

日本の財団を 1 つに絞る

柳井、笹川、JASSO は対象と時期が違う。条件に合うものは全部出す。国内の給付型どうしは併給できないものがあるので、採用後に選ぶ。

Award Letter の貸与を給付と読む

ローンと学内労働は自分で返す・働く分。給付(Grant / Scholarship)の額だけで比べる。

よくある質問

8 問。回答は2026年9月27日時点

留学生でもアメリカの大学の奨学金はもらえますか?

もらえる。家計ベースの給付を留学生にも出す大学と出さない大学があり、家計を見ずに合否を決めて必要額を全て給付するのは 10 校。成績ベースの Merit Aid は多くの私立が留学生にも出す。

Harvard や MIT は本当に無料になりますか?

世帯年収 $100,000 以下なら親の負担はゼロと両校が明記している。$200,000 以下なら授業料分が給付される。Harvard は留学生も米国人と同じ扱いで、25% の家庭が何も払っていない。学生本人の夏のアルバイト分などは別。

CSS Profile はいくらかかりますか?

初回 1 校で $25、追加 1 校ごとに $16。留学生は College Board の自動免除の対象外だが、大学が免除コードを出すことがある。Dartmouth や Bowdoin は無料の ISFAA でも受け付ける。

FAFSA は留学生も出しますか?

出さない。FAFSA は米国市民と永住者向けの連邦支援の申請で、留学生は対象外。留学生が出すのは CSS Profile か大学独自のフォーム。

複数の奨学金を重ねてもらえますか?

米国の大学の給付と日本の財団の給付は重ねられることが多い。柳井正財団は海外の給付型との併給を認める一方、日本国内の他の給付型とは併給できない。フルブライトは米国政府系との併給不可。それぞれの規約で確認する。

奨学金の申請はいつから始めますか?

柳井正財団の予約型は高校 3 年の 7〜8 月、JASSO は 9 月が締切で、大学への出願より早い。CSS Profile は出願と同時。渡航の 18 ヶ月前に予定表を作る。

州立大学に留学生向けの奨学金はありますか?

家計ベースの給付はほぼ無い。成績ベースでは Honors College の減免や国際学生向けの少額の奨学金がある大学がある。定価は州外生の扱いで、UC Berkeley の州外生の総費用は 2026-27 年で年 $93,740。

給付型と貸与型の違いは何ですか?

給付型は返さなくてよい。貸与型は卒業後に返す。このページで扱うのは給付型で、Award Letter の中でも Grant や Scholarship と書かれた部分。Loan は貸与、Work-Study は学内労働。

References

参照元

  1. 01
    Harvard College - How Aid Works 年収 $100,000 以下はゼロ、$200,000 以下は授業料給付、留学生も同じ扱い
  2. 02
    MIT Student Financial Services - Making MIT Affordable 2025-26 年からの授業料無料の基準、need-blind と full need の方針、実額の中央値
  3. 03
    College Board - Trends in College Pricing 2025 私立の授業料の平均 $45,000 と実額 $16,910、州外生の平均
  4. 04
    CSS Profile - College Board 家計ベース申請の書類。料金と手順
  5. 05
    Bowdoin College - Student Aid 留学生も need-blind、ローンを使わない方針
  6. 06
    Dartmouth Financial Aid - International Students 留学生の need-blind と ISFAA の受付
  7. 07
    柳井正財団 海外奨学金 - 応募要項 給付上限(米 $115,000・英 £70,000)、対象校、家計・年齢の条件、併給の扱い
  8. 08
    笹川平和財団 スカラシップ 授業料・寮費の実費支給、年齢・年収制限なし
  9. 09

※ 2026年9月27日 時点の情報。最新は各公式サイトでご確認ください。

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College Spark のスカウトに登録すると、成績と希望条件から連携大学の奨学金の推定額を案内する。費用の全体像は留学費用ガイドで。

最終更新:2026年9月 | 最新の出願要件・締切・金額は、各大学および公式機関のサイトで必ずご確認ください。