OPT(卒業後の実務研修制度)完全ガイド
期間・申請手順・STEM 延長・就労ビザ(H-1B)への接続
F-1 の留学生が卒業後に米国で働ける唯一の一般的な制度が OPT(Optional Practical Training)だ。期間・期限・費用・失効条件の 4 つを押さえれば、全体像はつかめる。
情報の基準日: 2026年9月26日。制度に動きがあれば更新する
結論を先に
F-1 の学生は卒業後、専攻に関連する仕事で12 ヶ月働ける。STEM 専攻はさらに 24 ヶ月延長でき、合計 36 ヶ月。
申請できるのは卒業 90 日前から卒業後 60 日まで。審査に 90〜150 日かかるので、卒業 90 日前に出す。
申請料はオンライン $470、郵送 $520。大学の担当者(DSO)の支援を受けて自分で出す人が多い。
失業が累計 90 日(STEM 延長中は 150 日)を超えると OPT は無効になり、F-1 の身分も失う。
OPT への 10 万ドル手数料案は規則案の審査中で未確定。現行の申請料のまま変わっていない。
自分はどこから読むか。出願前・在学中・卒業前で違う
同じ制度でも、いま何をすべきかは段階で変わる
これから出願する高校生・受験生
- OPT は F-1 で学位課程に 1 学年以上在籍すれば専攻を問わず使える。出願段階で特別な準備はいらない。
- 専攻が STEM 指定かどうかで就労できる期間が 12 ヶ月か 36 ヶ月かに分かれる。専攻選びの段階で確認する。
- 10 万ドル手数料案は未確定。OPT だけを理由に進路を決めず、費用計画に不確実性を織り込む。
いま在学中の人
- 在学中のインターンで Pre-completion OPT を使うと、その期間は卒業後の 12 ヶ月から差し引かれる。使うなら意図的に。
- 卒業 1 年前には大学の DSO(留学生担当官)に OPT の意向を伝え、必要書類と学内の締切を確認しておく。
- 就職活動は OPT 開始前から始める。失業日数の上限は OPT 開始日から数え始める。
卒業まで 1 年以内の人
- 卒業 90 日前に Form I-765 を出す。これが事実上の最終ラインで、審査は 90〜150 日かかる。
- 内定先が H-1B のスポンサーをするか、STEM 延長なら E-Verify に登録済みかを、内定前に確認する。
- EAD カードが届くまで働けない。開始日を雇用主と合わせておく。
申請の流れ。卒業 90 日前から動く
USCIS への提出から EAD カード受領、就労開始まで
申請で最も多い失敗は期限を逃すことだ。受付は卒業 90 日前から卒業後 60 日までで、審査に 90〜150 日かかる。卒業 90 日前に出せば、卒業の頃にカードが届く計算になる。
大学の DSO に相談し、OPT 推薦付きの I-20 を再発行してもらう
International Student Office で OPT 申請の意向を伝える。OPT 推薦が記載された I-20 が申請に必須で、発行に 1〜2 週間かかる。
Form I-765(就労許可申請書)を準備する
申請料はオンライン $470、郵送 $520。添付は OPT 推薦付き I-20、I-94、パスポートの写し、写真 2 枚。雇用提示書があれば添える。
USCIS にオンラインか郵送で提出する
DSO の推薦から 30 日以内に USCIS が受理する必要がある。受領通知(Receipt Notice)が 2〜3 週間で届けば申請受付は完了。
EAD カード(就労許可証)を受け取る
カードに記載された開始日から働ける。EAD なしの就労は違法で、OPT 取り消しの対象になる。
SEVP Portal に雇用主・住所・電話番号を登録する
転職や住所変更のたびに 10 日以内に更新する。未就職の間も失業日数が進むので、状況は毎月確認する。
H-1B のスポンサー意思を雇用主に確認する
H-1B の登録は毎年 3 月、抽選は 4 月。OPT 12 ヶ月では挑戦は 1 回なので、開始直後に動く。
OPT は 3 種類。違いは「いつ使うか」
Pre-completion / Post-completion / STEM Extension
一括りに OPT と呼ばれるが、中身は 3 つの制度だ。多くの人が知っている「卒業後 12 ヶ月」は Post-completion OPT にあたる。在学中に使う Pre-completion OPT は、使った分だけ卒業後の 12 ヶ月から差し引かれる。
横にスクロールできます
| 種類 | 使う時期 | 期間 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| Pre-completion OPT | 卒業前(在学中) | 学期中は週 20 時間まで。長期休暇はフルタイム可 | 使った期間は卒業後の 12 ヶ月から差し引かれる |
| Post-completion OPT | 卒業後 | 12 ヶ月(フルタイム) | 一般に「OPT」と呼ばれるのはこれ。専攻を問わず全員が対象 |
| STEM OPT Extension | Post-completion OPT の終了 90 日前から申請 | 追加 24 ヶ月(合計 36 ヶ月) | STEM 指定専攻の卒業生のみ。雇用主が E-Verify 登録済みであること |
STEM 延長は 24 ヶ月。条件は雇用主の E-Verify 登録
合計 36 ヶ月。H-1B の抽選に 3 回挑戦できる
STEM 指定専攻の卒業生は、Post-completion OPT の終了前に 24 ヶ月の延長を申請できる。12 ヶ月では H-1B の抽選に 1 回しか挑戦できないが、36 ヶ月なら 3 回。米国で働き続けられるかどうかを、この差が大きく左右する。
条件は雇用主側にもある。E-Verify に登録済みで、研修計画(Form I-983)に沿った指導を行うことが求められる。小さな会社は未登録のことがあるので、就職活動の段階で確認する。
| 対象 | DHS の STEM 指定専攻リスト(STEM Designated Degree Program List)に載る専攻の卒業生 |
|---|---|
| 申請のタイミング | Post-completion OPT の終了 90 日前から終了日まで。DSO の推薦から 60 日以内 |
| 申請料 | オンライン $470、郵送 $520 |
| 必要書類 | Form I-765、Form I-983(研修計画)、I-20、EAD カードの写し、現雇用主の情報 |
| 雇用主の条件 | E-Verify に登録済みであること。研修計画に沿った指導を行う義務がある |
| 失業日数の上限 | 累計 150 日(OPT の 90 日に 60 日を加算) |
Cap-Gap。OPT の終了と H-1B の開始のあいだを埋める
OPT 終了は 5〜6 月、H-1B 開始は 10 月 1 日
OPT が終わってから H-1B が始まるまでに数ヶ月の空白ができる。Cap-Gap は、OPT 中に H-1B を申請していれば F-1 と OPT を自動で延長して、この空白を埋める仕組みだ。
| 何が起きるか | OPT 中に H-1B を申請すると、審査中と承認後を通じて F-1 と OPT が自動で延長される |
|---|---|
| 延長の期限 | 翌年 4 月 1 日まで。2025 年 1 月の規則改正で従来の 10 月 1 日から延びた |
| 条件 | OPT 終了前に H-1B を申請し、抽選に当選し、申請が承認済みか審査中であること |
| 使えないケース | 抽選に外れた、申請が却下された、OPT 終了後に申請した。60 日の猶予期間内に出国するか別のビザに切り替える |
| 就労の可否 | 承認済みなら継続可。審査中は状況で変わるので、雇用主と移民弁護士に確認する |
OPT が無効になる 5 つの落とし穴
1 つの違反で就労許可そのものを失う
失業日数を累計で数える
上限は累計 90 日、STEM 延長中は 150 日。連続ではなく累計なので、転職の合間も足される。超えた時点で OPT は無効になり、F-1 の身分も失う。
専攻に関連する仕事だけが対象
コンピュータ科学の卒業生が飲食店で働くのは違反。関連性が曖昧な求人は、職務記述書を大学の DSO か移民弁護士に見せて判断する。
住所と雇用主の変更は 10 日以内に報告
SEVP Portal での報告漏れは違反として記録される。転職時は雇用主情報を即日更新する。
STEM 延長は研修計画(Form I-983)が要る
雇用主と共同で学習目標と指導内容を書く。雇用主が E-Verify 未登録なら申請できないので、就職活動の段階で確認する。
H-1B は年 1 回しか挑戦できない
登録は毎年 3 月。OPT 12 ヶ月なら挑戦は 1 回、STEM 延長込みの 36 ヶ月なら 3 回。大手はスポンサー実績があるが、中小企業は対応しない場合がある。
よくある質問
9 問。回答は2026年9月26日時点
OPT の申請にお金はかかりますか?
申請料としてオンライン $470、郵送 $520 がかかる。移民弁護士に依頼すると別途 $500〜2,000。多くの留学生は大学の DSO の支援を受けて自分で申請し、追加費用は払っていない。
OPT はいつ申請しますか?
卒業日の 90 日前から卒業後 60 日まで。USCIS の審査に 90〜150 日かかるので、卒業 90 日前に提出するのが標準。遅れた分だけ就労開始が遅れる。
OPT 中にインターンシップはできますか?
専攻に関連していればできる。在学中なら Pre-completion OPT、卒業後なら Post-completion OPT の就労として扱う。無給のインターンも OPT 期間として数える。
OPT 中に転職できますか?
できる。新しい仕事も専攻に関連している必要があり、SEVP Portal で 10 日以内に雇用主情報を更新する。転職の合間の期間は失業日数に足される。
OPT 中に大学院へ進学するとどうなりますか?
進学した時点で OPT は終わる。大学院を卒業すると、その学位で再び OPT 12 ヶ月(STEM なら 36 ヶ月)を使える。
STEM 延長はいつ申請しますか?
Post-completion OPT の終了 90 日前から終了日まで。DSO の推薦から 60 日以内に USCIS に届く必要がある。申請料はオンライン $470、郵送 $520。
OPT 中に日本へ一時帰国してもいいですか?
できるが、雇用が決まっている前提で考える。再入国時に I-20、EAD、雇用証明、直近の給与明細を持参する。雇用がない状態での再入国は入国拒否の可能性がある。
H-1B の抽選に外れたらどうなりますか?
STEM 延長で翌年また挑戦する、O-1(特殊技能ビザ)に切り替える、大学院に進学して OPT をやり直す、米国拠点のある日系企業に入って L-1 で戻る、帰国する。この 5 つが現実的な選択肢。
OPT は何回使えますか?
学士・修士・博士の教育段階ごとに 1 回ずつ。学部卒で 12 ヶ月(STEM なら 36 ヶ月)、修士でもう一度、博士でもう一度と、段階が上がるたびに使える。
References
参照元
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01
USCIS - Optional Practical Training (OPT) for F-1 Students 申請時期(卒業 90 日前〜60 日後)・12 ヶ月の上限・Pre-completion の差し引きの一次情報
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02
USCIS - Form I-765 就労許可申請書の公式ページ。申請料と提出方法
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03
USCIS - Optional Practical Training Extension for STEM Students 24 ヶ月延長の条件と申請時期
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04
Study in the States (DHS) - Training Opportunities Form I-983(研修計画)と SEVP Portal の報告義務
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05
E-Verify (DHS) STEM 延長で雇用主に求められる登録制度
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06
ICE - SEVIS OPT 期間中の雇用報告の仕組み
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07
USCIS - H-1B Cap-Gap Extension OPT から H-1B への自動延長の公式情報
※ 2026年9月26日 時点の情報。最新は各公式サイトでご確認ください。
OPT を最大限に使うなら、専攻選びから
36 ヶ月働けるかどうかは専攻が STEM 指定かで決まる。2026 年の制度変更の現状も合わせて確認しておく。