アメリカ大学院留学
修士・博士・専門職学位の違い・学費と給与付き博士課程・GRE と GMAT・出願から入学までの 18 か月
修士は払う、博士はもらう、専門職学位は高い。この 3 つを分けないと大学院留学の費用は見えない。給与の水準と留学生の制限、試験の現行仕様、2025 年秋の留学生の減少まで、公表値で整理する。
情報の基準日: 2026年9月27日。留学生数は IIE の 2024/25 年と 2025 年秋速報、給与は 2026 年度の連邦基準
結論を先に
米国の大学院は修士(1〜2 年)・博士(5〜7 年)・専門職学位(MBA、JD、MD、LL.M. など)の 3 つに分かれ、お金の出方が全く違う。
修士と専門職学位は自費が基本。MBA は Stanford で授業料 $89,187、総費用 $140,940(2026-27 年)。博士は多くが授業料免除+給与で、NSF フェローは年 $37,000、NIH の博士前期研究員は $29,364(2026 年度)。
米国の大学院にいる留学生は 488,481 人(2024/25 年、前年比 −3%)。2025 年秋の新規入学は 17% 減、大学院は 12% 減(IIE の速報)。連邦のフェローシップは市民・永住者限定で、留学生の資金は大学の RA・TA が中心。
GRE は 2023 年 9 月から約 1 時間 58 分、言語・数学とも 130〜170 点。GMAT は 2 時間 15 分で 205〜805 点。GRE を不要か任意にする博士課程が増えた。
出願は入学前年の 12 月〜1 月が締切。合否は 2〜4 月、給与付きの合格は 4 月 15 日まで返事を待ってもらえる(大学院協議会の決議)。準備は 18 か月前から。
自分はどこから読むか。修士・博士・社会人で違う
お金の出方が違うので、最初に自分の課程を決める
日本の大学を卒業して修士に行きたい人
- 修士は自費が基本。授業料は大学と分野で幅があり、オンラインの Georgia Tech の CS 修士なら 1 単位 $227、Stanford の MBA なら年 $89,187。志望校の費用を最初に見る。
- STEM 指定の修士なら卒業後の実務研修 OPT が 36 ヶ月で、H-1B の抽選に 3 回挑戦できる。修士以上には H-1B の抽選で 20,000 の追加枠がある。
- 英語は TOEFL の新スコアで上位校が 5.0(旧 100 点)前後を求める。GRE は不要の課程が増えたが、求める課程もあるので志望校ごとに確認する。
研究者を目指して博士に行きたい人
- 米国の博士は学士から直接入り、5〜7 年。多くの課程で授業料免除と給与(RA・TA かフェローシップ)が付く。給与の水準は NSF の $37,000、NIH の $29,364 が目安で、大学と都市で違う。
- 連邦のフェローシップ(NSF GRFP など)は米国市民・永住者限定。留学生の給与は指導教員の研究費か大学の TA から出るので、出願前に教員と連絡を取り、受け入れと資金の見込みを確かめる。
- 2025 年秋は留学生の新規入学が減り、研究費の削減で博士の採用を絞る大学もある。複数校に出す。
社会人で MBA や専門職学位を考える人
- MBA は職歴 4〜5 年が前提の 2 年制。上位校の卒業時の基本給の中央値は $185,000 前後だが、費用は 2 年で $280,000 に近い。
- JD(3 年)と MD(4 年)は米国の弁護士・医師の資格に直結する課程で、別ページで整理している。LL.M.(1 年)は日本の法学部卒がニューヨーク州の司法試験を受けるための経路。
- フルブライトは大学院留学に 1 年目全額・2 年目上限 $25,000 を出すが、J-1 ビザの 2 年帰国義務が付く。
修士・博士・専門職学位の違い。年数と資金
博士は学士から直接入るのが標準
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| 課程 | 年数 | 資金 | 向く人 | 補足 |
|---|---|---|---|---|
| 修士(MS / MA) | 1〜2 年 | 自費が基本。分野により奨学金 | 専門を深めて就職。STEM なら OPT 36 ヶ月 | 授業中心の課程と論文を書く課程がある |
| 博士(PhD) | 5〜7 年 | 多くが授業料免除+給与 | 研究者・大学教員・企業の研究職 | 学士から直接入れる。前半 2 年は授業と資格試験、後半は論文 |
| MBA | 2 年(1 年制もある) | 自費。上位校は年 $89,187(Stanford) | 職歴 4〜5 年の社会人 | 卒業時の基本給の中央値は上位校で $185,000 前後 |
| JD(法務博士) | 3 年 | 自費。私立平均 $59,759 | 米国の弁護士資格 | LSAT で出願。専攻は問わない |
| MD(医師) | 4 年 | 自費。私立の中央値 $71,724 | 米国の医師資格 | 留学生を受け付ける医学部は 43 校 |
| LL.M.(法学修士) | 1 年 | 自費 | 外国の法学部卒 | ニューヨーク州の司法試験の受験資格に使える |
学費と給与付き博士課程。連邦フェローシップは留学生の対象外
給与の目安は NSF $37,000、NIH $29,364。留学生の資金源は教員の研究費と TA
| 修士の学費 | 大学ごとに公表。安い例は Georgia Tech のオンライン CS 修士(1 単位 $227、30 単位で約 $6,810)、高い例は Stanford の MBA(年 $89,187、総費用 $140,940) |
|---|---|
| 博士の資金 | 授業料免除に加えて、研究助手(RA)か教育助手(TA)の給与、または大学・外部のフェローシップ。多くの上位校は入学者全員に 5 年前後の資金を約束する |
| 給与の目安 | NSF 大学院研究フェローシップは年 $37,000 の給与+大学に $16,000(3 年分)。NIH の博士前期研究員(NRSA)は年 $29,364(2026 年度)。大学独自の給与はこれを基準に都市の物価で上下する |
| 留学生の制限 | NSF GRFP は米国市民・国民・永住者のみで、学生ビザの外国人は対象外と明記。NIH の NRSA も同様。留学生の資金は教員の研究費と大学の TA が中心 |
| 健康保険 | 博士の資金に含まれることが多い。修士は自費で年 $3,000〜4,000 前後を見込む(大学の公表額で確認) |
| 働きながら | F-1 ビザの学内労働は週 20 時間まで。RA・TA はこの枠内 |
GRE と GMAT。どちらも 2 時間前後になった
GRE は 2023 年 9 月に半分の長さに。GMAT は 3 セクション
| 項目 | GRE | GMAT |
|---|---|---|
| 時間 | 約 1 時間 58 分(2023 年 9 月 22 日から) | 2 時間 15 分 |
| 構成 | 分析的作文 1 題 30 分、言語 2 セクション(12 問 18 分+15 問 23 分)、数学 2 セクション(12 問 21 分+15 問 26 分) | 言語・数学・データ分析の 3 セクション |
| スコア | 言語 130〜170、数学 130〜170、作文 0〜6 | 合計 205〜805、各セクション 60〜90 |
| 有効期間 | 5 年 | 5 年 |
| 使う課程 | 修士・博士全般。不要か任意にする博士課程が増えた | MBA。GRE でも出願できる MBA が多い |
| 自宅受験 | あり | あり |
留学生の現状。2025 年秋の新規入学は 17% 減
大学院の留学生は 48 万人で最大の層。減少の主因はビザ
| 項目 | 数字 | 補足 |
|---|---|---|
| 米国の留学生総数(2024/25 年) | 1,177,766 人 | 過去最多。うち OPT 中が 294,253 人(+21%) |
| うち大学院生 | 488,481 人 | 前年比 −3%。3 年続いた増加から減少に |
| 2025 年秋の新規入学(速報) | −17% | 825 校の速報。大学院は −12%、全体は −1% |
| 理由 | ビザ | 大学院協議会の調査では、合格辞退の理由にビザの手続きが最多で、費用、政治情勢、安全が続く |
出願から入学までの 18 か月。締切は 12 月〜1 月
博士は教員への連絡が出願の一部
分野と志望校の絞り込み
博士なら指導を受けたい教員を 3〜5 人挙げ、研究室のページと最近の論文を読む。修士なら課程の費用と STEM 指定を確認する。
英語と GRE・GMAT
TOEFL は上位校で新スコア 5.0(旧 100 点)前後。GRE は必要な課程だけ受ける。スコアは 5 年有効。
教員への連絡と推薦状の依頼
博士志望は教員に研究の関心と経歴を送り、受け入れの余地を聞く。推薦状は 3 通が標準で、依頼は 2 か月前。
出願締切
多くの課程が 12 月 1 日〜1 月 15 日。志望動機書(Statement of Purpose)、履歴書、成績証明、推薦状、スコア。出願料は 1 校 $75〜125 程度。
面接と合否
博士は 2〜3 月にオンライン面接やキャンパス訪問。給与付きの合格は 4 月 15 日まで返事を待ってもらえる(大学院協議会の 4 月 15 日決議)。
入学手続きとビザ
I-20 を受け取り F-1 ビザを申請する。フルブライトなど政府奨学金は J-1。
入学
博士は TA 研修から始まる大学が多い。
よくある質問
8 問。回答は2026年9月27日時点
アメリカの大学院は学費がかかりますか?
修士と専門職学位(MBA、JD、MD、LL.M.)は自費が基本で、MBA は Stanford で年 $89,187、ロースクールは私立平均 $59,759、医学部は私立の中央値 $71,724。博士は多くの課程で授業料が免除され、給与が付く。
博士課程の給与はいくらですか?
大学と分野で違う。連邦の基準では NSF 大学院研究フェローシップが年 $37,000、NIH の博士前期研究員が $29,364(2026 年度)。大学の RA・TA の給与はこれを目安に都市の物価で上下する。ただし NSF GRFP と NIH NRSA は米国市民・永住者限定で、留学生は教員の研究費か大学の TA が資金源になる。
GRE は必要ですか?
課程による。GRE を不要か任意にする博士課程が増え、Science 誌の調査でも要求する課程は少数になった。修士や一部の分野では今も求める。2023 年 9 月から試験は約 1 時間 58 分に短縮され、言語・数学とも 130〜170 点。
日本の学士からアメリカの博士に直接入れますか?
入れる。米国の博士は学士から直接入るのが標準で、修士を持っていなくても出願できる。修士を持っていると単位の一部が認められる大学もある。
留学生の大学院入学は減っていますか?
減っている。IIE の速報では 2025 年秋の留学生の新規入学が 17% 減、大学院は 12% 減。2024/25 年の大学院の留学生は 488,481 人で前年比 3% 減。大学院協議会の調査では、合格を辞退した理由にビザの手続きが最も多く挙がった。
修士を出ればアメリカで働けますか?
卒業後の実務研修 OPT が 12 ヶ月、STEM 指定の課程なら 36 ヶ月使える。H-1B の抽選では米国の修士以上に 20,000 の追加枠がある。就職先が支援するかどうかは企業次第。
出願はいつまでですか?
多くの課程が入学前年の 12 月 1 日〜1 月 15 日。合否は 2〜4 月で、給与付きの合格は 4 月 15 日まで返事を待ってもらえる。準備は 18 か月前から始める。
フルブライトは使えますか?
使える。大学院留学プログラムは 1 年目の授業料全額と滞在費・渡航費、2 年目は上限 $25,000。ただし J-1 ビザで渡米し、修了後に帰国して通算 2 年間日本に滞在するまで H-1B や永住権を申請できない。
References
参照元
-
01
IIE - Open Doors 2025 Press Release 留学生 1,177,766 人、大学院 488,481 人、2025 年秋の速報
-
02
NSF - Graduate Research Fellowship Program 年 $37,000+$16,000、3 年分
-
03
NSF GRFP - Eligibility 米国市民・国民・永住者のみ
-
04
NIH - NOT-OD-26-044 Kirschstein-NRSA Stipends FY 2026 博士前期研究員 $29,364
-
05
ETS - GRE General Test Structure 約 1 時間 58 分、セクション構成
-
06
GMAC - GMAT Exam 205〜805 点、2 時間 15 分
- 07
-
08
Stanford GSB - MBA Cost of Attendance 2026-27 年の授業料 $89,187、総費用 $140,940
- 09
- 10
-
11
USCIS - H-1B Specialty Occupations 修士以上の追加枠 20,000
※ 2026年9月27日 時点の情報。最新は各公式サイトでご確認ください。
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