フルブライト奨学金

大学院留学の給付内容・約 20 名・応募資格と英語要件・2027 年度の日程・J-1 ビザの 2 年帰国義務

日米両政府が運営する大学院留学の給付型奨学金。学部は対象外、2 年目の支給には上限があり、J-1 ビザの帰国義務がつく。この 3 点を先に押さえ、給付内容と日程を 2027 年度の募集要項で整理する。

情報の基準日: 2026年9月27日。2027 年度(2027 年秋渡米)の募集要項に基づく

結論を先に

対象

大学院(修士・博士)が対象で、学部留学は対象外。プログラムは 5 つ。大学院留学と博士論文研究で約 20 名、ほかに研究員・ジャーナリスト・語学アシスタント。

給付

1 年目(12 か月)は授業料全額に往復渡航費・滞在費・家族手当・着後雑費など。2 年目は授業料と生活費を含めて上限 $25,000で更新の可能性、3 年目以降はない。

資格

日本国籍(二重国籍・永住権者は不可)、日本在住、2027 年 3 月 31 日までに学士号。英語は TOEFL iBT 80(2026 年からの新スコアでは 4.0)または IELTS 6.0。所得制限はない。

日程

2027 年度は 2026 年 3 月 1 日〜5 月 1 日に応募、書類審査 8〜9 月、オンライン英語面接 9〜10 月、結果 11 月。米国の大学院の入学許可は 2027 年 5 月 1 日まで。次の 2028 年度は 2027 年 3 月に募集開始の見込み。

ビザ

J-1 ビザで渡米し、帰国後通算 2 年間日本に滞在するまで H-1B・L・移民ビザを申請できない。米国で働き続けたい人には大きな制約。

自分はどこから読むか。学生・社会人・米国で働きたい人で違う

米国に残りたい人は J-1 の帰国義務を先に読む

大学 3〜4 年生で米国の大学院に進みたい人

  • 応募は 3 月 1 日〜5 月 1 日で、その年の 3 月 31 日までに学士号を取ることが条件。大学 4 年の春に応募し、翌年秋に渡米するのが最短。
  • フルブライトの選考と米国大学院の出願は別に進む。フルブライトに採用されても、翌年 5 月 1 日までに大学院の入学許可を自分で取れなければ支給されない。
  • 英語の最低ラインは TOEFL iBT 80(新スコア 4.0)だが、上位大学院の要求はそれより高い。

社会人・大学教員で研究のために渡米したい人

  • 大学院留学は「社会人で経験を活かせる人」「大学教員・研究者」も対象区分にある。修士を持つ人は博士論文研究プログラム(米国で論文研究のみ、学位は取らない)も選べる。
  • 研究員プログラムは博士号取得者、ジャーナリストプログラムは記者向け。MBA・LLM などの専門職学位向けの枠が設けられる年度もある(1 年目のみ支給、約 3 名)。
  • 臨床研究や免許取得につながる医療系のプログラムは対象外。

米国で働くことも視野に入れている人

  • J-1 ビザの 2 年帰国義務が最大の論点。修了後に OPT で働くことはできないわけではないが、H-1B や永住権への切り替えは帰国して通算 2 年を過ごすまでできない。
  • 米国での就職を主目的にするなら、フルブライトを使わず F-1 ビザで大学院に進む方が自由度が高い。
  • 帰国して日本で研究・仕事を続ける人には、日米両政府の奨学金という肩書きと 6,800 人の日本人同窓生ネットワークが利点になる。

5 つのプログラム。大学院留学が中心

学位を取るのは大学院留学だけ。ほかは研究・教育・取材

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プログラム対象人数補足
大学院留学プログラム学士号を持ち、米国の大学院で修士か博士の学位を取る人。大学院在籍者、大学教員、社会人の 3 区分博士論文研究と合わせて約 20 名最も応募が多い。1 年目全額、2 年目上限 $25,000
大学院博士論文研究プログラム日本の博士課程に在籍し、米国で論文研究を行う人。学位は取らない上と合わせて約 20 名研究のみで科目履修はしない
研究員プログラム博士号を持つ研究者。米国の大学・研究機関で研究する要項で確認在外研究向け
ジャーナリストプログラム報道機関の記者・編集者要項で確認米国の大学で研究・取材
フルブライト語学アシスタント(FLTA)米国の大学で日本語を教えながら科目を履修する若手教員・大学院生要項で確認9 か月程度
大学院留学(専門職学位)MBA・MPA・MPP・LLM・MPH など。職歴のある社会人向け約 3 名(募集される年度のみ)1 年目のみ支給。2 年目は本人か勤務先の負担。2027 年度の募集要項で有無を確認

給付内容と 2 年目の上限。1 年目は全額、2 年目は $25,000 まで

2 年制の修士なら 2 年目の不足分を自分で用意する

支給期間1 年目は原則 12 か月。2 年目は更新の可能性があるが自動ではない。3 年目以降の更新はない
授業料1 年目は全額(2025 年度から)。2 年目は授業料・生活費などすべて含めて上限 $25,000
渡航往復の渡航旅費と荷物手当
生活滞在費、家族手当(同行家族がいる場合)、着後雑費、備品費
グレン・S・フクシマ奨学金大学院留学の奨学生から選ばれると、2 年目も 1 年目と同等の額が支給される。米国人フルブライト同窓生のグレン・S・フクシマ氏の寄付で 2022 年に設立
併給目的・給付時期・内容が等しい他の奨学金との重複受給は不可
所得制限なし

応募資格と英語要件。TOEFL iBT 80 は足切り

二重国籍と永住権者は不可。所得制限はない

国籍・居住日本国籍で日本在住。二重国籍者と米国永住権者は不可。米国生まれの人は米国籍の離脱手続きが完了していること
学位大学院留学は 2027 年 3 月 31 日以前に学士号を取得していること
英語TOEFL iBT 80 以上(2026 年 1 月からの新スコアでは 4.0 に相当)または IELTS アカデミック 6.0 以上。2024 年 7 月 2 日以降に受験し 2026 年 7 月 1 日までに提出。Home Edition と IELTS Online は可、MyBest スコア・TOEFL ITP・TOEIC・英検は不可
対象分野人文科学、社会科学、自然科学、応用科学(工学を含む)、学際的分野
対象外医療・看護などで、ヒトや動物への接触を伴う臨床研究と、免許取得につながる学位プログラム
大学院の入学許可2027 年 5 月 1 日までに米国の希望する大学院から正規の入学許可を得ること。フルブライトの選考と並行して自分で出願する

2027 年度の日程。春に応募、秋に面接、翌年 5 月までに入学許可

応募から渡米まで 16 か月。大学院の出願はその途中で自分で進める

2026 年 3 月 1 日〜5 月 1 日

オンライン登録(応募)

3 月 1 日 12:00 から 5 月 1 日 23:59(日本時間)まで。2027 年度の応募はすでに締め切られた。

2026 年 8 月〜9 月

書類審査

専門分野のグループごとに審査し、終わり次第メールで結果通知。

2026 年 9 月〜10 月

面接

オンラインで、専門家が英語で行う。

2026 年 11 月

面接審査の結果通知

メールで通知。ただし米国側の最終承認が下りる保証はない。

2026 年 12 月〜2027 年 1 月

米国の大学院に出願

多くの大学院は 12 月〜1 月が締切。フルブライトの選考とは別に、自分で出願する。

2027 年 5 月 1 日

大学院の入学許可の期限

この日までに受け入れ先を決める。入学許可が取れなければ支給されない。

2027 年 7 月〜

渡米

J-1 ビザで渡米し、出発前オリエンテーションを経て秋学期から在籍。

2027 年 3 月(見込み)

2028 年度の募集開始

例年 3 月 1 日から 5 月 1 日。2027 年度に間に合わなかった人は次の募集に向けてスコアと研究計画を整える。

J-1 ビザと 2 年帰国義務。米国に残りたい人の制約

H-1B・L・永住権は帰国して通算 2 年を過ごすまで申請できない

ビザの種類J-1(交流訪問者)。大学が発行する F-1 ではなく、フルブライト経由で発給される
2 年帰国義務プログラム修了後、帰国して通算 2 年間日本に滞在するまで、移民ビザ(永住権)、H(短期就労、H-1B を含む)、L(企業内転勤)のビザを申請できない
米国での就労J-1 の学業研修(Academic Training)で修了後に一定期間働ける制度はあるが、H-1B への切り替えは帰国義務を満たすまでできない
免除帰国義務の免除(waiver)制度はあるが、政府奨学金の受給者は原則認められにくい。フルブライトは日米両政府の資金なので、免除を前提に計画しない
向き不向き帰国して日本で研究・仕事を続ける人に向く。米国で就職して残りたい人は F-1 で進学する方が自由度が高い

3 つの財団の比較。フルブライト・柳井・グルー・バンクロフト

大学院か学部か、金額、人数、所得制限、ビザ

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項目フルブライト柳井正財団グルー・バンクロフト
対象大学院(修士・博士)学部(米国 4 年・英国 3 年)学部(米国のリベラルアーツカレッジ)
年間の金額1 年目は授業料全額+滞在費など、2 年目は上限 $25,000US$115,000 上限$80,000 上限(奨学金 1)〜$12,000+提携校の授業料免除(奨学金 3)
採用人数大学院留学と博士論文研究で約 20 名予約型 20 名程度+合格型 20 名程度10 名(4 種の合計)
所得制限なし2,700 万円以下2,000 万円以下
2027 年度の応募3 月 1 日〜5 月 1 日(終了)予約型 7 月 16 日〜8 月 10 日、合格型 12 月頃〜7 月 1 日〜9 月 7 日
ビザJ-1、2 年帰国義務ありF-1(義務なし)F-1(義務なし)

よくある質問

8 問。回答は2026年9月27日時点

フルブライト奨学金は学部留学に使えますか?

使えない。日本人向けのプログラムはすべて大学院以上が対象で、大学院留学プログラムは学士号を 2027 年 3 月 31 日までに取得することが条件。学部留学の給付型奨学金は柳井正財団かグルー・バンクロフト基金を見る。

いくらもらえますか?

1 年目(12 か月)は授業料全額に加えて往復渡航旅費、荷物手当、滞在費、家族手当、着後雑費、備品費が支給される。2 年目は授業料と生活費を含めて上限 $25,000 で、更新は自動ではない。3 年目以降の支給はない。グレン・S・フクシマ奨学金に選ばれると 2 年目も 1 年目と同等の額になる。

採用人数と倍率は?

大学院留学プログラムと大学院博士論文研究プログラムを合わせて約 20 名。応募者数は日米教育委員会が公表していないので倍率は分からない。1952 年以降の日本人受給者は約 6,800 人。

TOEFL は何点必要ですか?

TOEFL iBT 80 以上または IELTS アカデミック 6.0 以上が最低ライン。2026 年 1 月からの TOEFL の新スコア(1〜6)では 80 点は 4.0 に相当する。2024 年 7 月 2 日以降に受験したスコアを 2026 年 7 月 1 日までに提出する。Home Edition は可、MyBest スコアと TOEFL ITP は不可。上位大学院の要求はこれより高い。

2 年帰国義務とは何ですか?

フルブライトは J-1 ビザで渡米し、修了後に帰国して通算 2 年間日本に滞在するまで、永住権、H-1B などの H ビザ、L ビザを申請できない。米国で就職して残りたい人には大きな制約になる。免除制度はあるが政府奨学金の受給者には原則認められにくい。

米国の大学院に合格していなくても応募できますか?

できる。フルブライトの応募(3 月〜5 月)は大学院出願の前で、採用後に自分で出願して 2027 年 5 月 1 日までに正規の入学許可を取る。取れなければ支給されない。フルブライトの選考と大学院の出願は並行して進める。

他の奨学金と併給できますか?

目的・給付時期・内容が等しい他の奨学金との重複受給はできない。所得制限はない。

フルブライトの歴史と規模は?

1946 年に米国上院議員 J. ウィリアム・フルブライトの提案で始まり、日本では 1952 年に開始。1979 年に日米教育委員会が設立され、運営費は日米両政府が折半している。1952 年以降の参加者は 9,900 人以上で、日本人約 6,800 人、米国人約 3,100 人。

References

参照元

  1. 01
    日米教育委員会(フルブライト・ジャパン)- 日本人対象 募集要項・応募資格等 2027 年度の応募資格・除外分野・J-1 帰国義務・併給
  2. 02
    日米教育委員会 - 大学院留学プログラム 給付内容、約 20 名、2 年目上限 $25,000、入学許可の期限
  3. 03
    日米教育委員会 - TOEFL/IELTS について TOEFL iBT 80 / IELTS 6.0、有効期間、Home Edition の扱い
  4. 04
    日米教育委員会 - 選考日程 応募 3 月 1 日〜5 月 1 日、面接 9〜10 月、結果 11 月
  5. 05
    日米教育委員会 - フルブライト奨学金とは 累計 9,900 人以上、日本人約 6,800 人、両政府折半
  6. 06
    日米教育委員会 - 沿革 1952 年開始、1979 年日米教育委員会設立
  7. 07

※ 2026年9月27日 時点の情報。最新は各公式サイトでご確認ください。

大学院留学の全体像を確認する

修士・博士の仕組み、出願書類、資金計画は大学院留学のページで。学部向けの奨学金は奨学金ガイドで。

最終更新:2026年9月 | 最新の出願要件・締切・金額は、各大学および公式機関のサイトで必ずご確認ください。