ノックス・カレッジは1837年に長老派・会衆派の奴隷制廃止論者(abolitionists)により Knox Manual Labor College として創立された、イリノイ州ゲールズバーグを本拠とする私立リベラルアーツ大学です。米国大学では極めて稀有な「南北戦争前の奴隷制廃止運動の中心校」という歴史的意義を持ち、米国公民権運動史と密接に結びついた稀有な校です。
最大の特徴は、1858年第5回 Lincoln-Douglas Debate(リンカーン・ダグラス論争)開催校としての米国史的意義です。エイブラハム・リンカーンと Stephen Douglas が奴隷制をめぐって論争した米国大統領選挙史の最重要事件の現場として、現在も Old Main 校舎は同論争の唯一現存する建物として National Historic Landmark に登録されています。リンカーンは1860年に Knox から名誉法学博士号を授与されています。Knox は奴隷制廃止運動を支援した「Underground Railroad(地下鉄道、奴隷脱出支援組織)」の中継地としても米国黒人解放史で重要な役割を担いました。卒業生のハイラム・R・レヴェルス(米国上院議員初のアフリカ系米国人、1870-1871、ミシシッピ州)、Edgar Lee Masters(詩人、『Spoon River Anthology』)、Jack Finney(SF作家、『The Body Snatchers』『Time and Again』)、John Podesta(クリントン政権ホワイトハウス首席補佐官)など、文学・政治分野で米国史的に重要な人物を輩出しています。
私立大学として学費は高めですが、merit-based 奨学金と need-based 援助の組み合わせで援助が提供されています。出願前に Financial Aid Office で利用可能な奨学金を確認するとよいでしょう。
ゲールズバーグはイリノイ州中西部の小都市で、シカゴまで車で約3時間、セントルイスまで約3時間というアクセスです。リベラルアーツ・歴史学・文学・公民権を学びたい学生、特にリンカーン・ダグラス論争の歴史的現場で学びたい学生に向いた中堅リベラルアーツ大学です。