🏫 流されて生きてきた自分に気づいた瞬間

大学の附属高校に通っていた私は、何も考えず、エスカレーター式に大学へ進むことを決めた。決めたと言っても、それが既定路線で、特に考えることもなく周りと方向を合わせただけと言っていいだろう。経済学部を選んだのも友達がみんな行くから。そこに意思なんてものは無かった。年内には全ての手続きを終え、進学が決定していた。

ちょうどその頃コロナ真っ只中だったことも重なり、時間的にも余裕が出てきて、自然と自分と向き合う時間が増えた。そして私は、あることに気がついた。「自分に自信がない」

💭 振り返ってみれば...

考えてみれば、高校に進学するときも推薦、高校から大学へも附属推薦、部活はやっていなかったし、かといって、委員会やボランティアをやっていたわけでもない。その上、勉強も苦手で、いつもクラス下位5人以内。クラスで唯一、校長室に呼ばれ、直々に成績不振者指導を受けたこともあった。

何か困難にぶつかったこともないし、当然乗り越えたこともない。でも周りを見ると、みんなどこか楽しそうで、自分に自信があるように見えて、そんな周りと自分との差を感じては自分のことが嫌いになる毎日だった。

⚾ 最初の挑戦:野球部入部への決意

自分に自信を持ちたい。この気持ちが私の人生を変えた。大学に入ったら何かに挑戦して、自分の力で乗り越えることで自信を得よう。まず思いついたのは、部活に入ること。クラブチームで少し野球をかじっていた私は、大学で野球部に入部しようと考えた。意外と本気で。ここで4年間やり抜くことができれば、自信もつくはずだと。

早速体験入部をした。毎日朝4時に起きて、練習してそのまま高校に行く。(付属校だったため、入学前から体験入部ができた)そんな日々を過ごしていたある日、監督から呼ばれた。

⚡ 現実

「君を入部させるわけにはいかない」

まさかの挑戦拒否。

その大学の野球部は日本一の常連で前年にも全国制覇していたほどの強豪だった。もちろんその事実は前から知っていた。でもだからこそ挑戦しようと思ったし、乗り越えた先には圧倒的な自信が付くと思っていた。でも現実は甘くなかった。

ちょうどその日は偶然、入部を決心した日でもあった。家に帰ったら、入部届を書いて翌日提出しよう。そう思っていた日だった。本気だったとは言え、正直、中々入部の決心がついていなかった。練習は相当きついし、遊ぶ時間もない。バイトもできないだろうし。でも遂にそんな葛藤に打ち勝ち、やっと決心できたその日だった。

人生初の悔し涙

これまで楽な方へ楽な方へと逃げ続けて来た私がやっとの思いで挑戦を決断できたのに、そもそもその機会すら与えられなかったことへの悔しさ、悲しさ。それと、一生このまま自分に自信がないまま、自分が嫌いなまま生きていくことになることに対しての、絶望。

私はその日人生で初めて悔し涙を流した。帰りの電車の中で涙が込み上げてきて、途中の駅で降りて、ホームで一人泣いた。

🔍 迷いの中で見つけた光

その後一ヶ月くらい途方に暮れていた私は、一方で、他の選択肢もそれとなく探していた。諦めきれていなかったのだ。一般受験して違う大学に進むとか、大学でたくさん勉強して首席で卒業するとか、大学院でいい大学に進むとか。でも何かしっくりこなかった。多分、そこまでの情熱がなかったのだろう。

たまたま受けた英検二級。結果は合格。続けて英検のホームページを見ていたら「英検留学」の特集を見つけた。いくつかの体験談が書かれていて、中には私と同じ英検二級で英語圏の大学に進学し、卒業した人の紹介がされていた。

✨ 運命の瞬間

その瞬間、私は抑えられないほどの衝動に駆られた。これだ!!!これしかない!!留学にはもともと興味があったし、何より、海外の大学を卒業できたらとんでもない自信が手に入る。そう思ったからだ。

これを逃したら本当に一生情けない自分のまま生きていくことになることを確信していたのも大きかった。だから逃せなかった。もうこれ以上自分を嫌いになりたくない。

👨‍👩‍👧‍👦 家族への告白、そして決断

その日のうちに親に事情を話し、入学が決まっていた日本の大学には進まず、海外の大学に行きたい旨を伝えた。意外とすんなり受け入れてくれて、覚悟があるならいいよ。と言ってくれた。こうして私の海外進学が決まった。

恵まれた環境への感謝

私が結局恵まれた環境にいたことはよく理解している。経済的にも、リスク的にも、この選択をすぐに認めてくれる親は中々いないだろう。でも私は仮に親に反対されていても、この決断を変えることはなかっただろう。もうこれ以上自分を嫌いになりたくなかった。

もう後がなかったし、本当に本当に最後のチャンスだと感じていたからだ。これを逃すということは、私にとって人生が終わることと同じくらい辛いことだった。いくらリスクがあっても、どれだけ奨学金を借りてでも、1%でも成功の可能性があるならやるしかなかった。

もちろん、幸いそんな状況ではなかったため、今更何を言っても信じてもらえないだろう。でも、私がそのくらい、この挑戦に全てを賭けていたことだけ知ってもらえたらこの記事を書いた甲斐があるだろう。

💎 最も大切な学び

私にとって海外進学は単なる手段に過ぎなかった。卒業にたどり着くことで得られる達成感、自信が唯一にして最大の目的。結果的に、それら以外にも非常に多くのものを得ることができたが、やはり人生において最も大事なものは、"自信"であることを学べたことは私の人生の財産である。

🌟 最後に

この決断をした当時の自分とそれを心から応援してくれた家族には感謝しかない。本当にありがとう。

🚀 あなたも新しい一歩を

もしあなたが今、自分に自信が持てずにいるなら、それは変化への第一歩かもしれません。 海外進学という選択肢があることを、心の片隅に置いておいてください。